泡6を振り返ってみる


まず最初に、開演時間が予定より大幅に遅れてしまったことを深くお詫び申し上げます。
その遅れを吹き飛ばしてくれるかのように出演していた皆さん素晴らしいパフォーマンスを繰り広げてくれました。


twoth

写真をご覧になってわかる通り、彼にしか作りえない独特のセットで繰り広げられる音楽は、郷愁を誘いつつもどこか強靭さを感じさせる音像を立ち上げてくれました。
オルガニートと名付けられた光を放つ自作楽器を中心に据え、エフェクターを直接打楽器のように叩いてビートを紡ぐ手法はその音と同じく驚きに満ちたものでした。
そこに彼の音楽の根幹を支えているともいえるピアニカの音色が被さり、一気に彼の世界観に包まれていくのです。
終盤に差し掛かった頃でしょうか、カズーというラッパのような楽器を使って彼が歌い出した瞬間、鳥肌が立ったのが忘れられません。
予定の演奏時間を越えてることに全く気づけなかったほどの充実した演奏でした。

その後twothさんの活動もますます活発で、レーベルの立ち上げ、ラッパーとの競演(今をときめく環ROYと!)、テニスコーツ植野さんとの製作、そして何よりも自身の2ndアルバムの製作と目が離せません。
間違いなく要注目のアーティストです。


Pebre

オランダはDen Haagより来日した白石怜、Roberto Garreton, 佐脇由佳里の3人からなるPebre
曲ごとに全く雰囲気の異なる演奏でこの人たちはどれだけ引き出しがあるんだと驚かずにはいられませんでした。
ロベルトさんのギタープレイは特に圧巻で、素人目にもその技術の高さは目を見張るものがありました。
佐脇さんのシンセとラップトップを使った演奏は、エレクトロニカ黎明期の香りがする音色でPebreの音を良い意味でポップにしていたように思います。
そして本人は謙遜しますが、Pebreの中心である白石怜さん、ギターに口琴、自作楽器e-CLAMBONE, そして歌、と曲ごとにそれらを使い分ける素晴らしい演奏でした。
特にkazamamaでの彼の歌唱が忘れられません。小さなメガホンを通して聞こえる昔のラジオから聞こえてくるような声とシンプルでフックあるメロディとリリック。
音数を減らしたことでより引き立ったメロディは間違いなくあの日のハイライトの一つ。
曲中繰り返された、「ずっとふたりで」のフレーズは人数は違えど、Pebreの事を歌っているようでした。

約1ヵ月強の短い滞在の中で彼らは泡を含め4回のライヴをこなしました。
その内2回足を運びましたが、タブラと尺八奏者を加えてのセッション、また泡3にもご出演いただいたコマイヌといま最も勢いに乗っていると言えるドラマーJimanicaと共演など、セッション付いていました。
聞けばそのどれもほとんどリハで合わせることもなくぶっつけ本番のような感じだったらしいです。
しかしどれもそうとは思えないほどの内容で、その技術の確かさ、また楽曲の強さを思わずにはいられません。

いまは再びオランダの地にいるPebreにとって、今回の滞在が実り多きものだったことを願っています。


maro: LIVE PAINT

泡6で初めて使わせて頂いたSpecial Colors, 普段演劇や舞踏のイベントで使われることが多いだけあり、その魅力の大きな要素として舞台を作ることができる点が挙げられます。
今回をそれを生かして一段高い所で描いて頂きました。
写真でも分かる通り、どことなく和のテイストを含んだ作風で、実にドープな仕上がり。
DJタイムのみという時間的な制約があったにも関わらず、バシッと描いてくれた彼女に感謝を。
ライブペイントにあまり馴染みのない方からも好評を頂きました。
彼女も活躍の場が広がっており、今後CDやレコードのジャケットなどでその作品に触れる機会もあろうかと思います。追ってご紹介していきます。


最後になりましたが、盛況のうちに終えられたのもご来場頂いた皆さんのおかげです。
途中椅子を追加で出すなんて事泡ではそうそうありませんから。
とてもうれしかったです。本当にありがとうございました。