Cuushe / Red Rocket Telepathy

our_bubble_hour2009-08-05



Our Bubble Hour vol.4に御出演頂いたCuusheさん。先月7月2日に自身初となるアルバム'Red Rocket Telepathy'をリリースされました。
間は空きましたが、それを記念してクロスレビューをやらせていただきたいと思います。
素敵な文章を寄稿頂いたのは、幾つかの商業誌にてディスクレビューをされていたこともあるゆりかさん、自身も音楽家であり音楽イベント"13complex"を主催されCuusheさんとの親交も深い牧野エリさん、そして泡3に御出演頂いたばかりかCuusheさんと泡を結びつけてくれたnakao:::さん、おまけで私と4名でお送りさせて頂きます。
それではどうぞ。


<夜から朝への乗り物>
cuusheの音楽には、真っ黒な、正確に言うと少し"群青色"をした夜空がとてもよく似合う。
ただし、ピーターパンとウェンディのように空を飛んだり、ジョバンニとカムパネルラのように銀河鉄道の旅、というわけではない。
舞台は、どこにあるか分からない未知なる惑星ではなく、この青い地球の上。
皮肉にも、現実の中にしか存在しない、夢の中。
"浮き足立った僕らは、いかれた夢の中"


<夜から朝への贈り物>
全11曲の"Red Rocket Telepathy"は、1曲目"From The Window On The Plane"で、現実でのあらゆる感情や懐かしい情景と寄り添いながら、僕たちの意識は地上から放たれる。
2曲目"Summer Night Sketch"からもうすでに非日常的な夜間飛行を楽しむことができ、4曲目"Hate You"からはまた少しずつ現実味おびた日常へ逆戻り。
そして、本作の真ん中の6曲目にあたる"Simple Complication"を境目に、"群青色"からだんだんとまばゆい光を帯びてくる。新たな扉を開けるようにはじまる8曲目の"Airy Me"。10曲目"Into The Future"はこのアルバムの中での一番光り輝くポップなナンバーで、夜間飛行中なのに昼間なのかと錯覚してしまうくらい。

電子音と日常音が混ざりあう中で、現実と夢が混ざりあう。
それが、"君"と"僕"がつながることができる、世界でひとつの赤いロケットのテレパシー。
"僕ら、今、同じ気持ちさ"


<夜から朝への語り物>
11曲目の"Dust Of Dreams"だけでなく、全編にわたって歌というよりは語りに近い形で歌うcuusheの声は、少しだけ透き通っていて、少しだけ淀んでいる。まっすぐではなく、少しだけねじれている。その歪みが、この地球上で生活をする"君"の耳を離さない、"僕ら"が存在する限り。
また、彼女の言葉たちは美しくありながらも、少しドロドロとしていて、"僕"という一人称が多く表現されていることで、"Strange Animal"が生息する夢現の世界を作り出す。

"すごい早さで世界は廻る"けど、"僕ら"は歩いていかなければならない。少しずつ、少しずつ。
そして、僕たちはいつのまにかその変化に気がつく。
"群青色は、朝のはじまりへ続く色"

牧野エリ http://makinoeri.velvet.jp/


京都出身の女性SSW「Cuushe」のデヴューアルバム。
日常と非日常を行き交うような、素敵なメロディに乗せて、Cuusheさんの透き通ったヴォーカルが入ってきます。
BOCやフィッシュマンズなどを彷彿させられる部分もあるのですが、オリジナリティ溢れています。
フィールドレコーディングされた音が、ちょっと不思議にも感じるエレクトロニクスと絡み合い、絶妙な空間を作り出しています。
透き通って柔らかなヴォーカルやリリックにも耳を傾けてみると、世の中の平和な部分が感じ取れます。
特に最後の曲のポエトリーリーディング風なヴォーカルスタイルは、本当に、聴いていて心地よい空間です。全曲、それぞれにオリジナリティ溢れているのだけど、トータルで聴いてみると、自然と一体化している印象を受けました。

ゆりか http://bbpoqdd.seesaa.net/


ステレオタイプに過ぎるかもしれないけれど、若さとは明るく元気で前向きで勢いのあるばかりではないといまになって思う。
それは天井知らずの可能性に満ちていて、その先に描くものはどんなに漠然としていても輝きを湛えていたけれど、焦燥感のようなものは常に付きまとっていて、訳もなく不安だったりもした。
Cuusheさんの初めてのアルバム、Red Rocket Telepathyを聴くと、そんな在りし日の若々しい匂いを思い起こすのです。
柔らかな楽曲と、少し苦い青々としたコトバが詰まった素敵な作品です。

obh


夜になると、部屋はまるで別世界で、眠ったり、目が覚めたり、考え事をしたり、思いついたりしながら、あっという間に時間が経ってしまう。
"Red Rocket Telepathy"には、曖昧なものと覚醒的なものがぐるぐると飛び交っている。
混沌のなかにリズムが現れたり消えたり。

あっという間に時間が経ってしまいます。

nakao::: http://www.geocities.jp/nakaohou/


以上です。     
そしてこのリリースを記念したツアーも予定されています。
彼女の楽曲はライヴでより一層輝きを増すこと請け合いです。ぜひお出かけ下さい。ホントおすすめ。


flau presents
"Red Rocket Telepathy Release Party"

(sun)09.Aug.2009 @ shibuya 7th floor
open: 17:30 / start 18:00
adv.2500yen (+1drink) / door.3000yen (+1drink)

live:
Cuushe (w.土屋貴史 and 城戸 紘志)
オルガノラウンジ + 松本力
The Young Group
Mit〓 Kuuluu (gutevolk + aus + itoken)


前売りチケットメール予約 event@flau.jp
お名前・連絡先・枚数を明記して上記のアドレスまでご送信ください。
予約特典として、cuusheの未発表曲、リミックスを収録したスペシャルCDをプレゼント!

■other schedule■
2009/8/15(土)@K.D ハポン/奈良
2009/8/16(日)@UrBANGUILD/京都
2009/9/5(土)@cafe sample/奈良

●INFORMATION
flau: http://www.flau.jp/
http://www.myspace.com/flaumusic